【台風】病気は気から!ハーバード大学の研究で雨と痛みの関連性はないと判明!

こんにちは!

台風ヤバいですね!

今回の台風では強風もさることながら、めちゃめちゃ雨が降るらしいので土砂災害などに注意が必要です。

皆さん十分に気を付けてください。

ちなみに医療者の間では台風の日は良い事とも、悪い事とも捉えることができます。

良い事としては、台風の日は患者さんが少ないです。

基本的に日本人の多くは病院に行かなくてもいいようなことで病院に行くので、台風や雪の日など、行くのがめんどくさい日には病院に来ません。
いかに普段どうでもいいことで受診しているのかが分かります。

悪い事としては、台風の日に病院に来る人は重症例が多いです。

天気がめちゃくちゃ悪くて移動が大変なのに、病院を受診せざるを得ない状態の人は、基本的になんらかの重篤な疾患がある可能性が高いのです。
出産てんかん発作などは低気圧時に生じやすいということは、データがある程度そろっており、学者の間でも固まった意見です。

だから台風の日の当直は、医療者はどっちになるかドキドキです。

朝まで熟睡か、朝まで仕事か(笑)

まぁ、結局後者の方が多いんですけどね。なぜなら気圧の変化によって人は痛みを感じやすくなると言われているからです・・・

雨の日は目頭で、寒い日は真ん中、 強風の日は目尻が疼くぜ

けど本当にそうなんでしょうか?

本気出して論文を探してみましたところ、意外な結果に至りました。

それは・・

痛みと天候の関連性はない!

という論文の方が多かったです。

疾病によっては関連性があるという論文もありましたし、関連性がないと言った論文でもまだデータが足りないと補足していることから、まだまだ学者の間でも意見は分かれていることが分かります。

なので分かりやすい論文を一つ紹介しようと思います:

”Association between rainfall and diagnoses of joint or back pain: retrospective claims analysis.”
”雨と関節痛や腰痛の関連性とは:後ろ向き調査”

ハーバード大学の学者が携わっている研究です。

大雑把にまとめると

  • アメリカのメディケア(医療保険)の請求データをもとに解析
  • 合計11,673,392回の外来診察を行なった65歳以上の中高齢者1,552,842名が対象
  • 「関節痛」や「腰痛」に関連保険請求数(診察数)と、その地域の気象データを解析した
  • 結果雨の日の受診の方が晴れの日の受診より少ないことが判明したが、有意さはなかった

ということになりました。

この研究はメディケアというアメリカの医療保険の請求をもとに出しているので、本当は痛いけど病院に行っていない人のことはわかりません。ですが受診していない=痛くない、または痛くても受診するほどではないと考えて問題ないと思います。

台風で傷が疼くというのは、テレビレポーターと同じぐらい嘘つき

しかもこの研究で一番面白いことは、雨の日の方が受診数が少なかったというところです(笑)

さっきレオが言っていたのと同じですね。みんな雨の日は、結局病院行きたくないんですよ。

たとえ体調不良でも

雨天の外出>病院受診

というのが究極の結論なのではないでしょうか?

み~~~~んなめんどくさいんですよ。雨の日に出かけるのは。

ましてや台風の日なんて、絶対出かけない方がいい!

やっぱりデータって大事。

なんの根拠もなく「痛いのはリンパ液がどうのこうの、自律神経がどうのこうの」と言っているコラムも見られますが、皆さんは騙されないように!

病気は気から!

To be continued

久しぶりに訳します(笑):

Abstract
OBJECTIVE: To study the relation between rainfall and outpatient visits for joint or back pain in a large patient population.
DESIGN: Observational study.
SETTING: US Medicare insurance claims data linked to rainfall data from US weather stations.
PARTICIPANTS: 1 552 842 adults aged ≥65 years attending a total of 11 673 392 outpatient visits with a general internist during 2008-12.
MAIN OUTCOME MEASURES: The proportion of outpatient visits for joint or back pain related conditions (rheumatoid arthritis, osteoarthritis, spondylosis, intervertebral disc disorders, and other non-traumatic joint disorders) was compared between rainy days and non-rainy days, adjusting for patient characteristics, chronic conditions, and geographic fixed effects (thereby comparing rates of joint or back pain related outpatient visits on rainy days versus non-rainy days within the same area).
RESULTS: Of the 11 673 392 outpatient visits by Medicare beneficiaries, 2 095 761 (18.0%) occurred on rainy days. In unadjusted and adjusted analyses, the difference in the proportion of patients with joint or back pain between rainy days and non-rainy days was significant (unadjusted, 6.23% v 6.42% of visits, P<0.001; adjusted, 6.35% v 6.39%, P=0.05), but the difference was in the opposite anticipated direction and was so small that it is unlikely to be clinically meaningful. No statistically significant relation was found between the proportion of claims for joint or back pain and the number of rainy days in the week of the outpatient visit. No relation was found among a subgroup of patients with rheumatoid arthritis.
CONCLUSION: In a large analysis of older Americans insured by Medicare, no relation was found between rainfall and outpatient visits for joint or back pain. A relation may still exist, and therefore larger, more detailed data on disease severity and pain would be useful to support the validity of this commonly held belief.
概要(一部省略)
目的:雨と関節痛や腰痛による外来受診数の関連性を調べる。
データ:アメリカのメディケア保険請求と気象庁降雨データ。
参加者: 2008年から2012年に合計11,673,392回の外来診察を行なった65歳以上の中高齢者1,552,842名
結果: 11,673,392回の外来診察のうち、2,095,761回(18%)は雨であった。未調整と調整後の結果で、期待していた結果とは反対に、晴れの日の方が関節痛や腰痛で受診する人が有意に多かった。だが、この結果は臨床的には有意さを生まない小さなものであった。1週内の雨の日数は診察数に有意な影響を与えなかった。関節リウマチのサブグループでも天候との関連性はなかった。
結論:保険診療を受けられる高齢のアメリカ人を対象に行った研究では、雨と痛みによる受診数の関連性はみられなかった。だがこの通説を検証するには、もっと症例別に詳しいデータが大量に必要と考える。

BMJ. 2017 Dec 13;359:j5326